« 意識の階層理論と元型 | メイン | 在庫循環の図は右が生産の増加過程 »

ブラックホールが全て蒸発した後には

ブラックホールが全て蒸発した後には、宇宙背景放射の光子とブラックホールの蒸発で生まれた光子だけが宇宙を満たした状態になる。この時代の宇宙は絶対零度に限りなく近いため、光子のエネルギーは非常に低い。よってこれらの光子から再び物質粒子が生成されることはあり得ず、放射のみが存在する宇宙が指数関数的に膨張していき、絶対零度に向かって永遠に冷却し続けることになる。

この極低温の状態はビッグフリーズ (Big Freeze) やビッグチル (Big Chill) などと呼ばれている。これは19世紀に考えられていたエントロピー増大の過程とは別の物理過程の結果生じるものであり、いわゆる熱的死とは別の状態である。

上記の見積もりでは陽子崩壊の影響を考えていないが、大統一理論が正しければバリオンの多くを占める陽子が崩壊することが予想されている。ただし、その場合でも陽子の寿命は現在の推定では少なくとも1033年以上とされている。よって上記のシナリオが正しければ、陽子が崩壊する前にほとんどのバリオンは大質量ブラックホールに吸収されてしまうことになる。

2003年、「宇宙は全ての物理的構造がバラバラになってしまうビッグリップ (big rip)によって終焉する」という論文が Robert R. Caldwell、Marc Kamionkowski、Nevin N. Weinberg によって Physical Review Letters 誌に掲載された[2]。この仮説では宇宙定数が時間の増加関数になっているため、宇宙の膨張は通常のド・ジッター宇宙的加速膨張以上のペースで加速される。この強力な加速膨張により、宇宙膨張と切り離されて現在安定に存在している銀河や人間、バクテリア、砂粒に至るありとあらゆる物理的構造がいずれ素粒子にまでバラバラになってしまう。かくして宇宙は、永遠に加速しながらお互いから遠ざかる素粒子だけになってしまうと主張している。

しかし現在のところ、宇宙定数が時間の定数なのか、時間とともに変化するのかはまだ明らかになっていない。

ビッグクランチ理論は時間対称的な宇宙の一生を提示する。ビッグバンによって宇宙の膨張は開始したが、この理論では、膨張を停止させ、収縮に転じさせるのに十分な質量が宇宙に存在すると仮定している。

この収縮による結果、何が起こるかは明確でない。宇宙にある全ての物質と時空は無次元の特異点に収束するという単純な推測もありうるが、このようなスケールでは、一般相対性理論で無視されている量子力学的効果を理論にとり入れる必要がある。「振動宇宙」として、再び宇宙が膨張に転じるかもしれないと考える科学者もいる。
感染症
ケーブルテレビ
インフルエンザ
バイオリズム
戯曲
天体
喜劇
真菌学
日本画
宇宙ステーション
地層の作り
神社案内
未知の宇宙
脳と神経
日本の重要文化財
下町東京
広島の歴史
不動産用語
サンタはどこ
牛の生涯

十分に進歩した宇宙文明ならば、有限のエネルギーを用いることで、無限の時間にわたり存続する方法を見出すかもしれないと考えている物理学者もいる。低温死を迎えつつある宇宙でも、活動や思考の速度を徐々に落とし、半ば冬眠状態でいることで、文明が永遠に存続できるというのである。例えば、1億年に1クロックの情報処理しかしないとしても、永遠に宇宙が存続するのであれば、無限の主観時間を取り出すことができる(ダイソンの「永遠の知性」)。

ビッグクランチの渦中にある文明にとっては逆の方法もありえる。ビッグクランチから膨大なエネルギーを取り出し、終末が近づく以上に、生命活動をクロックアップし、有限の残り時間から無限の主観時間を取り出すのである(フランク・ティプラーの「オメガポイント」)。

このような方法は理論的には可能かもしれないが、十分に発達した文明がこれらの可能性を実現する方法を開発できるのかは明らかでない。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://wwww.isxbgu.info/blog/mt-tb.cgi/1105

About

2009年06月13日 08:38に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「 意識の階層理論と元型」です。

次の投稿は「在庫循環の図は右が生産の増加過程」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Powered by
Movable Type 3.35